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豊田コーチの全仏コラム

2026.05.20

5月から6月にかけて、フランス・パリで開催されるフレンチオープン。
四大大会(グランドスラム)のひとつであり、唯一クレーコート(赤土)で行われる大会です。


クレーコートというと、「ラリーが長い」「とにかく粘る」「守備的なテニス」


そんなイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。


確かに、ハードコートや芝に比べるとボールのスピードは落ちやすく、ラリーは長くなります。
でも、最近の世界のトップ選手たちのクレーテニスを見ると、実は少し様子が変わってきています。


今のクレーは、ただ我慢するだけのテニスではありません。
「我慢しながら、どう攻めるか」
そんな駆け引きが面白い時代になっています。


今年のクレーシーズンで圧倒的な強さを見せているヤニック・シナー。
もともとはハードコートでの鋭い攻撃力が印象的な選手ですが、最近はクレーでも結果を残しています。現在クレーコートで3大会連続優勝(16連勝中)しています。


その理由のひとつは、焦らなくなったこと。
無理に1本で決めようとせず、相手を少しずつ動かしながらチャンスを待つ。
その上で、チャンスは逃さずしっかり攻める。


これは私たちのレッスンでもよくあることです。


「早く決めたい!」と思って無理をしてしまう。
「ここだ!」と思って力んでしまう。


テニスって、こういう気持ちがプレーに出ますよね。


また、カルロス・アルカラスのような選手は、強打だけでなくドロップショットやネットプレーも巧みに使います。


「速い、強い」だけでなくプレーが多彩です。
だから相手の嫌なところをつくことができるんです。


そして、アカデミーやジュニアの保護者の皆さまにもぜひ見ていただきたいのが「フットワーク」です。


トップ選手たちは、ただ速く走っているわけではありません。


苦しい体勢でもバランスを崩さず、次の1球の準備をしている。
良いショットの前には、必ず良い準備があります。


お子さんの試合や練習を観る時も、つい「入った・入らなかった」に目がいきがちですが、


「その前の動きや準備」に注目してみると、また違った面白さが見えてくるかもしれません。


今年のフレンチオープンは、「誰が勝つのか?」


もちろんそれも楽しみですが、「どんな工夫でポイントを取っているか」


そんな視点で観ると、もっとテニスが面白くなるはずです。

この記事を書いた人

豊田啓

Valテニスアカデミー代表
コンディショニングについて勉強した経験を活かしテニスコーチに転身。
その後はジュニア育成を中心に指導を行う。
ジュニア指導で培ってきたノウハウ を活かしたレッスンを心がけています。